Ubie 株式会社に入社します


TL;DR

  • 求職活動の結果 Ubie 株式会社に入社することにしました
  • 決め手は「ストーリーを語りたくなるような仕事ができそう」だから
  • エンジニアも絶賛募集中なので、一緒に働きましょう! https://note.com/ubie/n/n454a0d04a1eb

最近は求職活動に勤しんでいましたが、色々な人に話を聞いたり実際に選考を受けた結果 Ubie 株式会社 に入社することにしました。

このエントリは、私の求職活動を振り返りつつ、その過程でお世話になった人々への報告に代えさせていただこうというものです。 求職活動の経緯に関しては以下をご覧ください。

求職活動の振り返りと Ubie に決めた理由

後で色々な数字を紹介しますが、最終的には 4 社から offer letter をいただいて、その中から Ubie に決めました。 残りの 3 社はいわゆる Big Tech の一角や数名もしくは数十名のベンチャー企業で、色々と考えた結果 Ubie を選んだのですが、求職活動を簡単に振り返りつつその理由をまとめておきます。

無職期間では「何をやったら面白いだろうか」を考えていました。 なんか格好良い感じで言っていますが、結局はこれだというものが明確に見えたわけでもなく、これが作りたいという強烈な気持ちが湧いたわけでもなく、興味としては機械学習に傾倒しているので機械学習エンジニア/リサーチャーとして仕事をするかと求職活動を始めました。

求職活動の序盤ではリサーチエンジニア的なポジションが面白そうだなと思っていました。 取り組むなら日本語も含めた自然言語処理だなと考え、お誘いもしてもらって魅力的なポジションもあったのですが、待遇面(自分は大した論文を書いてるわけでもないのでやむなし)やこのような研究であれば真に価値があるというビジョンを自分が持っているわけでもないという理由で、今回はこの路線はやめにしました。

やはりサービス開発系だなと思って、色々話を聞いたり考えたりしていました。 面白そうな会社はあるのですが、自分の人生を懸けてやりたいくらい面白いことなのかと考えると逡巡してしまう場合が多かったです。 無職期間を経験することでこのような状況に陥りやすいことが知られています(N = 1)。

改めて自分はどういうことをやりたいと思って仕事をしてきたのかと振り返ってみると、人に語れるようなストーリーがないなと気付きました。 こう言ってしまうと考えなしにやってきた印象を与えるかもしれませんが、実際は、機械学習もプログラミングもほぼゼロの状態からキャッチアップして、機械学習前後で質的に変わったなと感じたレコメンドをやって、深層学習前後で質的に変わったなと感じた画像分析をやって、同様に自然言語処理をやろうとして、という感じで機械学習(特に深層学習)によってサービスが大きく変わったものを中心に取り組んできたつもりではあります。 どれも楽しかったし成果も残してきたと評価していますが、その結果「自分が何を理解したか」とか「自分に何が残ったか」に関しては表面的だと感じるものも多く、もっと深みが欲しいなぁと感じています。 もしかしたら過去を過小評価し過ぎているかもしれません。

人生において「自分はこういう経緯でこれに取り組んだぞ!」と思わずストーリーを語りたくなるような仕事をしたいものですね。 そのために、真に価値があると信じることができて、アルゴリズムが本質的に重要で、結果として生み出される知見に普遍性があり、インパクトも大きい、そんなサービスに携わりたいと考えるようになりました。 (いまの)自分では一からそのようなサービスを創り出せないと考えたので、このような条件を満足できそうな会社を探していました。

そんな中で出会ったのが @masa_kazama にお誘いしてもらった Ubie 株式会社です。 AI 問診サービスは患者が待合室などで(裏で質問選定アルゴリズムが動いている)症状に合わせた事前問診を済ませておくことで、事務的作業を減らして効率化し、病気の見落としを防ぐ確率を高め、適切な検査の実施や薬の投与に繋がる、みんなにとって有益なサービスです。 このサービスは高齢者でも扱える UI なども重要ですが、アルゴリズムが酷ければ使ってもらえないため、アルゴリズムはサービスの柱の一つです。 医師の診断結果が正解データとして蓄積されていくため、データから得られる知見には大きな価値があります。 アルゴリズムを改良していくことでレベルの高い医師と同等の問診ができるようになるかもしれませんし、ある病気に対して深く知られていなかった症状が明らかになるかもしれませんし、新型のウイルスの広まりも追跡しやすくなるかもしれません。 病気は問診だけでは一意に定まらない場合もあるので、不確実性のある情報をどのように取り扱うかを突き詰めていくのが重要という観点も個人的には興味深い点です。 インパクトは言わずもがなですね。 病院に実際に導入するには超えねばならないハードルは大変なものと想像しますが、共同代表を始めとして医師の方も複数名在籍しており、既に全国の医療施設にも数多く導入されているのが力強いです。 これ以外にも取り組むべき価値のあるサービスを提供しており、チームメンバーも素晴らしいため、Ubie なら自分の目的が達成できそうだと感じました。

他に offer をいただいた会社でも自分の働き如何で同じくらい良い仕事ができるかもしれませんが、Ubie が一番可能性が高そうだと判断しました。 ということで、Ubie でストーリーを語りたくなる仕事をしていくぞ!

TL;DR にも書きましたが、シニアデータエンジニアやシニア機械学習エンジニア、アプリエンジニアや SRE も絶賛募集中なので、一緒にやっていきましょう! 詳しくはこちら: https://note.com/ubie/n/n454a0d04a1eb

選考過程や待遇など

選考に関しては自分が受けた範囲では特殊なものはなかったですが、状況が状況なのでオンライン面接になったりしました。 これはやむなしですが、オンラインはちょっとホワイトボードに書いて説明みたいなのがしづらいので正直あまり楽しくない… 選考対策みたいな話はあまり好きじゃないしやらないので、そういうのが知りたい人はググってもらえばいっぱい出てくると思います。 十分な実力があって建設的に議論できて headcount が空いてればだいたい受かると思います(自明)。

給与に関しては公開資料にあるように 800~1200 万でした。 別途ストックオプションを付与してもらっていてそこに期待している部分が大きいわけですが、未来のことなので正直どうなるかは分かりません。 生活面での安定を目指すなら Big Tech の offer の方がやはり魅力的でしたが、sign-on bonus や RSU でロックされて(さらにきっと仕事も楽しいと思うので居心地が良くなって)気付いたら 40 歳とかになってしまうので、そこから今回のようなチャレンジをするのはライフステージ的にも難しくなるかなと考えたりもしました。 色々と違いはありましたが、今回いただいた offer letter はどれも魅力的なものでした。

労働環境は、別の会社を選んでいればシンガポールもしくはアメリカで働く可能性があったという勤務地の違い以外は大きな違いはありませんでした。 業種が近ければ似たようなものにはなるので、環境に関しては同僚を重視しました。 それと Ubie は GitHub で就業規則を公開 してるのが良かったですね。 こういうの読むの好きなので、選考を受ける前からだいぶ読み込んでいました。

職場は三越前駅あたりです。 お近くにお越しの際はランチでも食べながらお話でもしましょう、@yohei_kikuta までお気軽にご連絡ください。

数字でみる求職活動

大したデータが残っているわけではないですが、同じような境遇の人の参考になるかもしれないので、いくつか数字を残しておきます。

  • 活動を宣言してから声を掛けてくれた会社の数:30 社
  • 自分から話を聞かせて欲しいと声を掛けた会社の数:6 社
  • 詳しく話を聞いた会社の数:15 社
  • 実際に選考を受けようとした会社の数:7 社
  • offer letter をもらった会社の数:4 社
  • 入社することにした会社の数:1 社
  • 活動を宣言してから offer letter にサインするまでに要した日数:58 日
  • 入社日:2020 年 4 月 1 日

このブログで求職活動宣言をして Twitter で報告してから、ちょうど 30 社の会社からお話どうですかというお誘いをしていただきました。 採用は大変なのでどの会社も人を欲しがっているということなんでしょうが、求職側からすると有り難い限りです。 ちなみに転職エージェント系の会社の方からの連絡はカウントしていません。 最初の転職活動の時にはそういった会社を利用してある程度役に立ったのですが、そのときは IT 系の業界を知らなかったという理由が大きかったので、今回は特に利点がないと判断しました。 殆ど返事も返さなかったので、この場を借りて謝罪しておきます。

自分から話を聞こうと思ってアクションを起こしたのは 6 社で、そのうち 4 社の方とは実際に話をすることができました。 基本的には知り合いに声を掛けるという感じでしたが、全く面識がなくても Twitter DM を送ったら快く了承して話をしてくれる方もいました。 その節はどうもありがとうございました。 話を聞けなかった 2 社は知り合いを辿ろうとしたら途中で忘れ去られてしまった(自分としても話を聞いてみたいな〜という程度だったので催促はしなかった)ものと、知り合いがいなかったので選考を受けて話を聞こうかなと思って apply したらその後音沙汰なしというものでした。

上記の会社のうち、会社を訪問したり人に会って詳しく話を聞いたのは 15 社でした。 せっかくなので全部話を聞きたいところではあったのですが、さすがに数が多いと時間が掛かりすぎてしまうので、得られる情報を基に自分とマッチする確率が高そうなところに限りました。 転職はせっかくの機会なので、色々な会社に話を聞きに行くのは面白いのでオススメです。 仕事しながらだと大変なので、いったん無職になってから活動をするのがオススメです。

話を聞いて検討した結果、実際に選考を受けようと思ったのは 7 社でした。 「受けようと思った」という書き方をしているのは結局受けられなかった会社が 3 社ほどあったためです。 1 社はシリコンバレーの会社で自分も興味があったのですが、ちょうどのタイミングで headcount がなくなってしまいました。 1 社はリクルーターから連絡が来て resume も送って話もしたのですが、話をするタイミングでリクルーターが別の人に変わって話をしたらあからさまにやる気がなくて先に進めませんでした(これはちょっと酷いと思った)。 1 社は話を聞くためにも apply したのですが、音沙汰なしでした。 ということで実際に選考を進めたのは 4 社となりました。

選考を進めて offer letter をもらったのは 4 社でした。 1 社はいわゆる Big Tech の会社で、残りの 3 社はいずれもベンチャー企業という結果となりました。 先に述べたような理由により、最終的には Ubie に入社することに決めました。

求職活動に要した日数は 58 日間で、これは思ってたより長くなってしまった。 フリーランスの仕事をしていたり技術書典の準備をしていたりで、何も活動せずという日も多かったのでこれくらい掛かってしまった。 そのくせ最後の方はかなり急ぎで結果を出してもらったりした会社もあり、申し訳なさと感謝でいっぱいです。

入社日は 20200401 です。 本当に週 40 時間も働けるのか自分は!? しばらくは通勤もしないといけない! 死ぬか 死ぬか菊田!?(ネタが古い)

菊田先生の続報にご期待ください。

求職者から見て好ましい会社からのアプローチ

これはおまけコンテンツですが、求職者が会社の人とやりとりする際に、こういうやり方は好ましかったなというものをいくつか挙げておきます。

お話どうですかと誘う時に、参考になりそうな技術資料のリンクを一緒に送ってくれると判断材料となるので嬉しい(そういう資料がない場合はないという情報が欲しい)です。 知り合いからの連絡だったらある程度把握しているので問題ないですが、知らない人とか会社だとそもそも自分の興味とマッチする会社なのかが判断しづらいためです。 もちろん自分である程度調べるのですが、見つからなかった場合に探し方が悪いのか本当にないのかは自明ではありません。 自分はそういう資料ありますかと会社に聞くことも多いですが、最初に声を掛ける際にその情報が付与されていると助かる人が多いと思います。

日程調整は会社側から都合の良い日を複数提示してくれた方が嬉しいです。 「来週以降で都合の良い日程を N 個ほどください」というようなお願いをされることもありますが、これは求職者にとって扱いが厄介になりがちです。 予定が確定するまで他の予定を入れられないし、確定するまでのラグもそこそこあるので、複数同時並行で進めることが多い求職者にとっては難儀です。 「以下の M 個の日程から 1 つ選んでください」という方式だと早めに返事をすればほぼそれに決まるし、会社側と同期をとる必要もないので助かります。 もちろんこれは逆に会社側に同じ問題が発生し得るわけですが、求職者の方が指定された時間の都合をつけやすく(求職活動期間はその時間を意識的に作り出している期間なので)、M < N でもすんなり決まることが多いと思います。

求職者に対して事前に会社やチームの概要などをインプットしてもらえると嬉しいです。 いざ話に行ってみたものの、会社の説明が長引いて十分に話せなかったなということもありました。 1 時間とかだとあっという間なので、会社やチームの概要などで共有できる資料があれば事前に共有してもらえると、それに目を通した上で参加できるので双方向で話ができる時間が増えると思います。 時間を有効に使うためにも求職者側はもう少し準備をしていった方がよくて、そのために必要な情報を事前に共有してもらえると助かるという気持ちです。

その他には、日程が決まったら Google カレンダーに予定を作ってくれる人もいて、これは予定の作り忘れを防げるので助かりました。 ただここまで会社側に期待するのはやり過ぎかなとも思います。

まとめ

求職活動の結果、Ubie 株式会社に入社することに決めました。 あまり技術的な話には触れていないですが、それは働いてからおいおい発信していこうと思います。

今年は労働の年なので頑張って働くぞ!