ウェブで投げ銭するための方法論(2018/11/10時点)


TL;DR

  • 前提として、A->B の現金のやりとりができる(Bは銀行などに現金を移せる)ものを考える
  • 純粋に現金を直接やりとりするなら pring がよさそう(AもBもアカウント必要)
    招待コードは L3DK96 をどうぞ (11/15 23:59 まで)
  • 何か商品を準備してその対価として現金をやりとりするなら BOOTH がよさそう(Bのみアカウント必要)
  • paypal は現時点では公式HPには日本で解説したアカウントでは個人送金不可と書かれている

個人的な興味もあり、ウェブで投げ銭するためにどのような方法が良いのかという情報を収集している。 モチベーションとしては「解説記事やアプリを提供し、気に入った人が投げ銭して応援する」ためには結局どんな方法が良いのかを自分なりに理解しておきたい、というものである。

なお、以下のような前提として以下のような条件を考えている。

  • A: お金をあげる人、B: お金をもらう人(解説記事やアプリを提供する人)、なので A->B というお金の流れ
  • 現金のやり取りができ、Bは現金を受け取ることができる(銀行口座にお金を入れることができる)
  • 合法

現金をやり取りしたいというのは個人的な事情だ。 ウェブで買い物とかあまりしないし、提携店で使えるみたいなのもあまり利用する機会がないので、やはり現金がいい。

まだまだ正しく理解できてない点が多そうだが、公開しておけば自分より詳しい人に教えてもらえる可能性もあるので、現時点の理解を記事として残しておく。

現金を扱うことの難しさ

現金を移動するだけ、というのはサービスを提供する会社が資金移動業の登録をしておかねばならず、これが内閣総理大臣の登録を受けねばならなかったりしてハードルが高い。 これはマネーロンダリングなどの問題に起因(犯罪収益移転防止法)していて、それゆえに使用する人の本人確認が義務付けられていたりもする。

多くのサービスはこの登録をしてないので、他の方法を採用することでここの困難を回避している。 有り体に言って、現金を直接やり取りしないような方法を採用している。 収納代行は A->B に支払いがある際に代わりに支払いをするという仕組みで、例えばレシートを添付することで「お金を移動するのでなく、支払いを代行する」ということになっている。 前払式支払手段は「お金を移動するのではなく、ポイントを購入してそのポイントでやり取りをする」ということになっている。 これらの方法は今回の前提条件を満たせない(もらったお金を銀行口座に入れて自由に使うということができない)ので、これ以上掘り下げない。

ここまでで、あるサービスを使って単に現金を移動するということを考えれば、そのサービスが資金移動業の登録をしている必要があるので一気に候補が減るということが分かる。 現金を現金のまま移す、ということはなかなかに難しい。

一方で物を売るという行為に対して対価として現金を得るという方法もある。 この場合は対価が必要であるが、投げ銭的な観点で言えば、例えば「購入ありがとうざいます」と書かれた画像を購入する、みたいなやりとりによって A->B を実現する。 対価となるモノを準備するということ、そして恐らくは特定商取引法上は購入するという明示的な申し込みのステップを挟む必要がある(と思う)、などの手間が生じる。

あとは個人的に口座情報を教えて振り込んでもらう、等もあるけどさすがに嫌なので除外。

以上まとめると、前提条件を満たして現金を受け取るには二つの方法がある。

  • 資金移動業として登録しているサービスでお金を支払ってもらう
  • 対価となるモノを売ることで現金を支払ってもらう

資金移動業として登録しているサービスを使う

自分が調べた範囲では pring がよさそう。 11/15 までは友達紹介キャンペーンをやっているので、紹介コード L3DK96 をどうぞ(被紹介者にプラス200円で紹介者にプラス500円)。

良い点悪い点を挙げれば以下

  • 手数料は現時点では(個人で利用する上では)全て無料
  • AもBも登録が必要(ただしこれは上述のように法律で定められているのでやむなし)
  • クレカは使えないので銀行口座を登録
  • 対応している銀行口座が現時点では多くない(これは結構障害になりそう)
  • 店舗でQRコード決済が可能だが対応店舗はまだほとんどなさそう

海外まで考えた時にはやはり PayPal では?という意見もあると思う。 「PayPalの個人間送金が2018年10月25日から可能に」という情報を目にしたので期待もしたのだが、現時点では公式HPに「なお、日本でペイパルアカウントを開設いただいた場合、ペイパルアカウント間での個人間送金サービスご利用いただけませんのでご了承ください。」とある。 もう少し待てば使えるようになるのかもしれない。

LINE PAY はどうか、というと LINE で友だちになる必要があるのでそれが容認できれば良いと思う(LINE PAY も資金移動業の登録をしている)。 自分は LINE は好きになれないので使おうと思わない。

モノを売るということをウェブ上でサポートしてくれるサービスを使う

資金移動業の性質上、現金を移動するだけの場合は支払う側もそれなりの準備コストが掛かるというのが難点だ。 そこを回避したい場合はモノを介してやり取りをする方法は有力な選択肢になる。

自分が調べた範囲では BOOTH がよさそう。 やり方としては、購入したら「購入ありがとうございます」みたいな画像がダウンロードできるようにして、それを販売して購入してもらうというものだ。 支払う側で金額を上乗せすることもできるはず。

良い点悪い点を挙げれば以下

  • 支払う側はラク。サイトを通じてクレカやコンビニの決済で購入するだけ
  • 貰う側は pixiv ID を作ってショップを開設してモノを準備して、と少し手間が掛かる
  • 手数料は資金移動業サービスと比べて高い(売り上げの3.6%とかが掛かる。ただし高いと言っても資金移動業サービスと比べて、という話でこの手のサービスとしては BOOTH は驚くべき手数料の低さだと思う。)

類似サービスは色々ありそうなので、探せばもっと適しているものがあるかもしれない。

税金はどうなるか?

まず払う側。 結論としては払う側はただ払うだけで特に何もない。

BOOTH などでモノを買った場合は、普通にモノを買っただけなので特に何もない。 pring などでお金を払う場合は、相手が個人なら贈与で法人なら寄付になるのだろうか。 寄付なら確定申告すれば寄附金控除が使えそうな気もしたが、寄付金控除は国や地方自治体など特定の相手に限られるはずなので、使えなさそう。

次に貰う側。 以下のようにまとめられそう。

  • 110万を超えなければ貰うだけで、110万円を越えれば贈与税を申告(雑所得とすべき、という意見もあるので自己責任で)
  • 継続性がある場合は個人事業主として開業をして事業所得として扱う

贈与なのか雑所得なのか、というのは微妙な問題と思うので自分のケースを税務署に問い合わせるのがよさそう。 自分としては、pring のような現金をただ渡す場合は贈与で、モノを介在させる場合は対価が発生するので雑所得、という気がする。

一方で、継続性のあるモノ(例えば解説記事を継続的に書いていって、継続的に投げ銭してもらう)であれば個人事業主として開業をして事業所得として確定申告するべき。 青色申告すれば65万円まで控除される。

まだちゃんと分かってなくて知りたいこと

お金を移動するだけというのが難しいのは分かったが、対価というのはどこから発生したとみなすことができるのだろうか、というのがよく分かってない。

例えば、具体的に次のような状況を考える。

  • 無料の解説記事、もしくは無料のアプリを提供
  • 読んだ人の中で気に入ってくれた人だけ課金できるようにしたい
  • そこで PayPal.me のような商取引を前提としたサービスで送金してもらう

これは合法だろうか違法だろうか?

自分の理解ではこれはダメな気がしている。 記事という情報なりアプリという対価が発生しているのではないか、という反論がありそうだが、自分の理解では商取引とするには例えば「購入ボタンを押して取引を成立させた上でモノを提供する」みたいなものが必要だ。 なので、課金した結果初めて続きを読めるとかアプリを使える、みたいなのはオッケーだが、誰でも利用できる形式にしておいて気に入った人に送金だけしてもらうというのはダメと思う。

原理的には、送金してもらった後に購入ありがとうございます画像を送る、みたいなことをすれば大丈夫と思うが、それをやろうと思うと煩雑なやり取りが発生するので上述の BOOTH とかを使った方がラクだ。

この辺の理解が正しいか間違っているか(間違っている場合はどういう理解が正しいか)はぜひ知りたいところだ。

参考にしたページ

参考にしたページは以下。

まとめ

ウェブ上で投げ銭したい、という場合にどういう方法が良いのか自分で調べた方法をまとめた。 支払い側にも準備コストを課してもいいと思うなら pring などを使い、支払い側がラクに支払えるようにするなら BOOTH などを使うのがよさそう。